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雑記

【本当にできるの?】1年半で全世界197カ国制覇について考えてみた

こんにちは、くろです。

先日ふとツイッターを見ていたら、こんなクラウドファンティングの情報が流れてきました。

『世界最年少で全世界197カ国制覇して、全世界の説明書をつくりたい!』なんてすごいなーっていうのが、その時の率直な感想です。

また僕自身「世界一周に行くなら全大陸を制覇したい」って旅をしたので、何かを制覇することに対する憧れのような感情は他の人よりも理解できると勝手ながら思っています。

今回はそんな僕がこのプロジェクトの達成可否を考えてみました。

1年半で全世界197カ国訪問の実現性

現在日本人が入国の際にビザ(VISA)の事前取得が必須な国は33カ国。

申請から受け取りまで平均5営業日(7日前後)かかるというのが個人的な印象です。

※国よってはビザの申請曜日が決まっていたりもするので、うまく計算しながらやらないともっとかかる可能性が高いです。

つまりビザ待ちだけでプロジェクト期間520日のうち231日程度を消費することになり、単純計算で実質289日間(=520-231)でビザが不要の164カ国(=197-33)へ訪問することになります。

またこれだけの国へ一度に行くとなると、未使用査証欄の関係上、確実にどこかの国でパスポートの切替発給をする必要があるのでその日数(だいたい3日〜4日程度)も考慮、さらに国間の移動に平均1日弱かかると考えれば、ビザ待ちで1週間程度滞在することになる国を除き、1カ国あたりの実質滞在日数はわずか1日となります。

とは言え0以下にはならなかったので、ビザの取得とパスポートの切替発給のタイミングをうまい事やりくりすれば、1年半でも全世界197カ国に訪問する事は一応可能と言えるでしょう。

説明書なんか作れるのか

ネット上では1日や2日程度の滞在じゃ説明書なんて作れないって意見を多数見かけましたが、全世界197カ国に訪問さえできれば、これに関しては達成できる(しちゃう)でしょう。

僕は”説明書”の定義ってすごく曖昧だと思っていて、本人が『これは説明書です』って言っちゃえば、それは説明書になる(なっちゃう)と思っています。

今回のケースの場合、リターンのところにはっきりと”1カ国につきA4サイズが2枚”と明記されているので、要するにその程度のクオリティの説明書って事なのでしょう。

実際に販売した場合、説明書としての評価はかなり低くなる可能性もありますが、それでも説明書は説明書です。

予算面は既に確保済みの資金次第

130万円という予算を問題視する声も多数ありますが、全額をクラウドファンティングの支援金で賄うとは書かれていないので、130万円でこのプロジェクトをやろうとはさすがに本人も思っていないでしょう。

本当は支援金の細かい使用目的なんかより、”すでに自分の貯金や家族・親戚などからの支援で○円確保できていて、このプロジェクト達成のためにはあと○円必要なんです”って訴えかけた方がよかったのになーっていうのが個人的な印象です。

このあたりは今後のPR次第ってとこでしょうか。

ちなみに僕が超ざっくり計算した限り、最低でも500万円は必要かと思われます。

Q & Aを見て愕然

という訳であら不思議。
ネット上では無謀意見が多数あるにも関わらず、案外この子に達成できちゃうんじゃない。

ネット上で叩かれてる女子大生をフォローしてあげる俺めっちゃいい人 笑

って感じの構成で終わらせるつもりでだったんですけどね。

後日、活動報告に掲載されたQ&Aを見て愕然としちゃいました。

Q. 外務省が退避勧告を出している国はどうするの?
A.  退避勧告が出ている国と地域には、立ち入りません。
  命には変えられないので、安全第一で行って参ります!
  退避勧告が解除され次第、渡航いたします。

これ、本当にこのプロジェクトを達成したいと思っているなら、一番と言ってもいいくらい明言しちゃいけない事でしょ。

このプロジェクト案外できんじゃね?って思った身としては、”安全面には最大限配慮します。”くらいの曖昧な回答にして欲しかったのが正直なところ。

はっきり言って、昨今の世界情勢的に今から1年半の間に全ての退避勧告がなくなるなんて有り得ないよ…

絶対って根拠はないけどさ…

最近の早稲田大学って、もしかしてこんな世間知らずな子ばっかりなの?

てか、大学側はこの子に一体何を教えているの?

※なお外務省が出している退避勧告はあくまでインフォメーションとしての効力しか持っていないため、訪れる事は自体は日本の法律上全く問題はありません。ただし旅券法により旅券(パスポート)返納命令が下される可能性がある為、個人的に推奨はしません。

外務大臣や領事官が旅券(パスポート)を返納させる必要があると認めたとき、旅券の名義人に対し、期限を設けて旅券の返納を命ずることができる規則。申請時に虚偽の記載があったときや旅券の記載事項の訂正をした場合、旅券名義人の命や財産保護のために渡航の中止が必要な場合、旅券名義人が渡航先において日本国民の一般的な信用または利益を著しく害し帰国させる必要がある場合、2年以上の刑罰につき訴追されている場合などにおいて、旅券法(昭和26年法律第267号)第19条に基づき適用される。外務大臣や領事官は一般旅券の返納を決定したときには、名義人に対し速やかに通知する必要がある。海外にいる名義人の所在が知れないときなどには、外務大臣が官報に通知内容を掲載すれば、掲載後20日を経過した時点で、通知は名義人に到達したとみなされる規定がある。

旅券返納命令(コトバンク)

返金となる可能性

このプロジェクトはほぼ間違いなく購入型のプロジェクトの為、Q&Aの記載に関係なく、期日までに適切にリターンを受け取れなかった場合、購入したリターンによっては、キャンプファイヤーサイトの規約に則り返金要求が可能です。

寄付型プロジェクトではない(=購入型である)根拠はこれ。

キャンプファイヤーのガイドライン上、プロジェクトの達成可否よりも大事なのはリターンの適切な履行と言っても過言ではなさそうなので、2020年11月以降、PDF版の説明書のリターン購入者は返金要求可能となるでしょう。(上述の理由により、ほぼ間違いなくリターンの適切な履行が不可能となるため。)

また購入型である以上、適切にリターン(商品)が受け取れず、かつプロジェクト主が返金に応じない場合、詐欺として訴える事も可能かと思われます。

まとめ

せっかく面白そうなプロジェクトで、しかも考えてみたら意外とできそうだったのに、思わぬ展開となったこの件。

今回これを機にちょっと調べてみて感じたのは、キャンプファイヤーってうまいビジネスだなーって事でしょうか。

規約上、審査を通過させたプロジェクトに関しては、極わずかでも達成できる可能性がある限り(日本の法律に反しない事が前提)、もし何か言われても突っぱねればいいだけ。

何らかの事情でプロジェクト主がプロジェクトを辞めた場合でも、規約上いくらかの手数料はキャンプファイヤー側に入ります。

(だからプロジェクト主も、辞めるに辞めれないんだろうけど…)

あとは、プロジェクト主はキャンプファイヤーの規約を少し勘違いしている可能性もあるので、全世界197カ国の説明書が期日までにできなかった時の対応を誤り、若くして詐欺の前科が付かないことを祈るばかりです…

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